豆知識ブログ
文字組職人のこだわりポイント、教えます

印刷物を読んでいて「なんか読みやすいな」「きれいに見えるな」と感じたこと、ありませんか?
実はそれ、“たまたま”そうなっているのではなく、文字組みを担うDTPオペレーターの技術と気配りの賜物なんです。
今回は、DTPオペレーター歴10年以上の筆者が、普段なかなか表に出ることのない、印刷会社の文字組職人のこだわりポイントを、少しだけご紹介します。
文字組みの美しさは「見えない仕事」でできている
当社の制作部(DTPグループ)には、10年以上のキャリアを持つベテラン社員が多数在籍しています。
制作した書籍やパンフレット、記念誌などで「読みやすい」「見た目が整っていてきれいなのに、作業が早い!」とお褒めの言葉をいただくこともしばしば。
でも実は、それらの“読みやすさ”の裏側には、読み手に気づかれないレベルでの細かい調整や工夫が詰まっているんです!

1.行間(行送り)のこだわり
行間が詰まりすぎると窮屈に、空きすぎるとバラけて見えるもの。
文章の長さやフォントの形、紙面の余白とのバランスを見て、「気持ちよく読める行間」に調整するのもプロの腕の見せ所です。

見た目だけでなく、「読むスピード」や「目の疲れやすさ」にも影響します♪
2.表記の揺れを見逃さない
「ホームページ」「ホーム・ページ」「HP」など、同じ意味でも表記がバラバラだと読み手に違和感を与えてしまいますよね。
DTPオペレーターも文章全体の“表記ゆれ”に目を配り、統一感のある誌面づくりを心がけています。
表記揺れは“読みやすさ”の観点でも、とても大切な要素。文章の流れに自然になじむように調整します。
よくある表記ゆれ一覧
① 送り仮名のゆれ
| 正しい例 | 揺れやすい例 | 備考 |
|---|---|---|
| 表す | 表わす | 「表す」が一般的(新聞・公用文基準) |
| 引き継ぐ | 引きつぐ | 「引き継ぐ」が一般的 |
| 申し込む | 申込む | 活用形で送り仮名が変わるので注意 |
| 取り扱い | 取扱い | 名詞なら「取扱い」でも可、統一を |
| 受け付ける | 受付ける | 動詞は「受け付ける」 |
② カタカナ語・外来語のゆれ
| 統一例 | 揺れやすい例 | 備考 |
|---|---|---|
| スマートフォン | スマホ/スマートホン | 省略形を使う場合は統一 |
| メールアドレス | メルアド | 短縮表記に注意 |
| インターネット | ネット/インタネット | カタカナの長音(ー)忘れに注意 |
| データ | データー | 長音は1つだけが基本 |
| プログラム | プログラム/プログラムス | 英語複数形を避ける(日本語では単数扱い) |
④ 数字・単位の表記ゆれ
| 統一例 | 揺れやすい例 | 備考 |
|---|---|---|
| 1人 | 一人 | 桁のある数字はアラビア数字が一般的 |
| 3つ | 三つ | 数字の使い方は統一を(社内ルールで) |
| 約10年 | 十年ほど | 数字と漢字の混在に注意 |
| 5% | 5パーセント | 単位は半角+記号が読みやすい |
| ¥1,000 | 千円 | チラシや価格表記では数字統一が重要 |
⑤ 用語・言い回しのゆれ
| 統一例 | 揺れやすい例 | 備考 |
|---|---|---|
| ホームページ | HP/Webサイト | どれを使うか方針を決めておく |
| メール | Eメール | 読者層に合わせて統一 |
| チラシ | フライヤー | 業界・地域によって好みが分かれる |
| パンフレット | リーフレット/冊子 | サイズや用途に合わせて定義を |
| 問い合わせ | お問合せ/お問い合わせ | 常用漢字表に基づき「お問い合わせ」が基本 |
⑥ 記号・表記ルールのゆれ
| 統一例 | 揺れやすい例 | 備考 |
|---|---|---|
| 西濃印刷株式会社 | (株)西濃印刷 | 正式名か略称か、媒体で統一 |
| 「 」 | 『 』 | 引用・タイトルで使い分けを決める |
| ・(中黒) | /(スラッシュ) | リスト表記などで混在しやすい |
| 全角数字/半角数字 | 123/123 | 文章なら全角、データ・表なら半角が一般的 |
| ~ | ~ | チルダと波ダッシュの混在に注意(全角で統一) |
同じ媒体内では「1つの基準」で統一!
迷ったら“読みやすさ”を優先しよう。
3.赤字修正は「確実に、丁寧に」
お客様からいただいた赤字指示は、1つも漏らさず、正確に反映することが大前提です。
そのため、修正を担当したオペレーターとは別の社員が社内校正を行い、二重チェックを実施しています。
また、修正の過程で表記の統一がとれていない箇所を見つけた場合は、付箋を貼って指摘を行うなど、細やかな対応を心がけています。

派手じゃない。でも、確かな仕事
文字組みの仕事は、目立つデザインや大胆なレイアウトとは違い、“気づかれない美しさ”を作る仕事です。
たとえば、書籍・冊子の本文レイアウトや広報誌の段組など──。
パッと見ただけでは伝わらないけれど、違和感なく読める、自然と情報が入ってくるレイアウトは、プロの細やかな技術の積み重ねでできています。
ぜひ印刷物をご覧になるときは、そうした“見えない仕事”にも思いを馳せてみてくださいね。
「豆知識ブログ」は第2・4金曜日/昼12時 更新中! ぜひブックマークの登録をよろしくお願いします。
【お知らせ】
日本最大級の異業種交流展示会「メッセナゴヤ2025」に出展します!
西濃印刷×ヒトノワスタジオは印刷を基盤に、動画やSNS、採用支援など、企業の「伝える」を支援する取り組みを進めていきます。
ぜひ興味のある方は、ぜひお立ち寄りください!
📅 開催日:2025年11月5日(水)~7日(金) 10:00~17:00
📍 会場:ポートメッセなごや 第1展示館(名古屋港・金城ふ頭)
🔗 詳しくは「メッセナゴヤ2025」公式サイトをご覧ください。

西濃印刷では「堅実・確実・誠実」をモットーにお客様に寄り添った印刷物やWEBサイト、SNS制作、動画を制作しています♪
